試合レポート 大会1・2日目

8/20(火)、8/21(水)各種目1回戦

渡辺勇大(右)、東野有紗(左)
渡辺勇大(右)、東野有紗(左)

オリンピックを終えて早くもワールドシリーズが再開し、最初の上位グレード大会となるダイハツジャパンオープン2024が開幕した。

2日間かけて行われた各種目1回戦、パリ2024オリンピックの余韻残るメダリストたちは、それぞれ異なる試合模様となった。

男子シングルスの銅メダリスト、マレーシアのリー・ジージアは、調整不足の影響かメダルマッチのような流れを引き寄せるダイナミックなプレーが鳴りを潜めた。7月のカナダオープンで準優勝と、フランスの次期エースを期待されるアレックス・ラニアーに対して、まさかのストレート負けを喫した。

男子ダブルスでは、見事なピーキングを見せて2大会連続金メダルを獲得したチャイニーズ・タイペイのワン・チーリンが、若いチウ・シャンチェと組んで出場し、保木 卓朗/小林 優吾(トナミ運輸)をストレートで退けている。

女子ダブルスでは、若き銀メダリストの中国ペア リウ・シェンシュー/タンニンが、カナダペアを相手に、全く寄せ付けない球回しと痛烈な強打で完勝し、確かな実力を見せつけた。銅メダリストの松山 奈未/志田 千陽(再春館製薬所)は、相手ペアの棄権により不戦勝で2回戦進出となった。

混合ダブルスでは銅メダリストであり、今大会今大会をもってペアを解消することを発表している混合ダブルスの渡辺 勇大/東野 有紗(BIPROGY)は「集中力が高かった(渡辺)」「楽しんで戦おうと話しており、そのとおりに楽しめた(東野)」と振り返ったように、若いアメリカペアを7本、3本で下し、攻守に格の違いを見せて2回戦進出を決めた。


日本人選手で2回戦進出を決めたのは以下のとおり。

西本拳太
西本拳太

[男子シングルス] 4人
・奈良岡 功大(NTT東日本)
・西本 拳太(ジェイテクト)
・田中 湧士(NTT東日本)
・高橋 洸士(トナミ運輸)

[女子シングルス] 5人
・山口 茜(再春館製薬所)
・大堀 彩(トナミ運輸)
・奥原 希望(太陽ホールディングス) ※2回戦を棄権のため試合なし
・仁平 菜月(ヨネックス) ※対戦相手の奥原選手棄権による不戦勝のため試合なし
・水津 愛美(ACT SAIKYO)

仁平菜月
仁平菜月

[男子ダブルス] 1組
・三橋 健也/岡村 洋輝(BIPROGY)

[女子ダブルス] 3組
・松山 奈未/志田 千陽(再春館製薬所)
・岩永 鈴/中西 貴映(BIPROGY)
・廣上 瑠依/加藤 佑奈(再春館製薬所)

[混合ダブルス] 2組
・渡辺 勇大/東野 有紗(BIPROGY)
・緑川 大輝/齋藤 夏(NTT東日本/ACT SAIKYO)

また、出場した日本人選手の試合を終えてのコメントを紹介する(抜粋)

[男子シングルス]

奈良岡功大
奈良岡功大

奈良岡 功大(NTT東日本) リー・チュックユー(ホンコン・チャイナ)に2-1で勝利
1ゲーム目は横風の影響で相手から打たれる球の判断など風の調整が難しかったが、オリンピックでの経験を経て急いで決めに行かなくなりプレーが安定してきたので、2ゲーム目をとることができた。試合中のファンの方からの声援が嬉しかった。今大会は楽しみながらファンの方たちの声援に応えられるようにしたい。

田中湧士
田中湧士

田中 湧士(NTT東日本)  アンソニー・シニスカ・ギンティング(インドネシア)の途中棄権により勝利 気持ちの良い勝ち方ではなかったが、自分としては1つでも多く勝ってランキングをあげたい中でこういう形でも勝ててほっとしている。相手のタイミングやショットのキレに対して難しい部分はあったが、その分準備を速くして、イメージを速く持って最後は自分からスピードを出していけたのが良かった。

[女子シングルス]

大堀彩
大堀彩

山口 茜(再春館製薬所) ポルンパウィ・チョチュウォン(タイ)に2-0で勝利
大会前の1週間は所属チームで練習をしてコンディションを整えた。オリンピックを含めて勝ちに行って、上手くいかなかった部分もあり気持ちの面で大変だったなと思うことがあったので、結果にはこだわらず今は楽しくバドミントンをして新しいことが見えてきたらいいなと思う。

大堀 彩(トナミ運輸) パイ・ユーポ(チャイニーズ・タイペイ)に2-0で勝利
今のコンディションの中でやれることに集中して今日(8月20日)はできた。オリンピックまではどの大会でも初戦が怖かったがオリンピックでは今まで感じたことがない緊張感を乗り越えられたので、今日の試合、緊張はしたが怖さがなく、ひと回り大きくなったと思いコートに入ることができた。

宮崎友花
宮崎友花

宮崎 友花(山口県立柳井商工高校3年) ハン・ユエ(中国)に0-2で敗北
国際大会は久しぶりでスタートがかみ合わないのを想定していたが、早く慣れていれば第2ゲームをとるチャンスはあったと思う。2ゲーム目は自分のペースが出てきてスピードがあがり、そのスピードでは相手より勝っていたと思う。今大会は上手くいかなかったけど、次の大会では切り替えて4年後のロサンゼルスオリンピックに向けて頑張りたい。

[女子ダブルス]

松本麻佑(右)、永原和可那(左)
松本麻佑(右)、永原和可那(左)

松本 麻佑/永原 和可那(北都銀行) チョン・ナウン/キム・ヘジョン(韓国)に1-2で敗北
松本:長い試合になることは想定していたので出だし勝負になると思っていたのに、1ゲーム目は上手くいかなかった。2ゲーム目はこのまま終われないと、何とか力をふり絞って二人のいいプレーが出せた。結果的には負けてしまったが、日本の皆さんの前で試合ができてよかった。
永原:シャトルが走らないのは聞いていたので、フィジカル勝負になると思っていた。2ゲーム目以降は自分たちらしいプレーが出せたが、最後失速してしまった。オリンピック後、今大会までの期間が短く気持ちの部分で難しさはあったものの、日本開催という貴重な機会なので気持ちを切り替えていい状態で挑めるようにコンディションを合わせてきた。1回でも多く日本で試合がしたかったので残念です。

©NipponBA2024 / PHOTO:t.KITAGAWA