試合レポート 大会6日目

8/25(日)6日目決勝

男子シングルス

アレックス・ラニアー
アレックス・ラニアー

19歳の新鋭のアレックス・ラニアー(フランス/世界ランキング29位)が34歳のベテランのチョウ・ティエンチェ(チャイニーズ・タイペイ/世界ランキング10位)と対戦した。アレックス・ラニアーはジュニア世界ランキングでは1位、今大会は西本拳太(ジェイテクト)、世界ランキング1位のシー・ユーチーを破って、Super750で初めての決勝進出を決めている。 第1ゲーム序盤は1点を争う接戦になるが、長いラリーを制したチョウ・ティエンチェの強打で武器に連続6ポイントを奪われるが、「いろいろな戦略を試したが、通用しなくなって、プレーを変えてみた。」というアレックス・ラニアーの戦略が的中し、連続11ポイントでこのゲームを奪う。

チョウ・ティエンチェ
チョウ・ティエンチェ

第2ゲームは、アレックス・ラニアーが11点を先に取るが、連続6ポイントで逆転されるもの、「メンタル面を保つことに集中した」というアレックス・ラニアーが気持ちを切らさず我慢のラリーで延長ゲームを制して22-20でうれしい初優勝を果たした。

試合後、「オリンピック期間中、この大会に向けてフィジカルはもちろん、メンタル面を維持し、質の高いショット、相手に合わせて戦略を出せるように準備をしてきた。この優勝は大きな意味があり、オリンピック前、期間中の準備の成果が出たこと、コーチを誇りに思う。」と笑顔で話した。

<アレックス・ラニアーのコメント>
昨日の準決勝の疲れが残っており、いろいろな戦略を試したが、通用しなくなって、プレーを変えてみた。

メンタル面を保つことにも集中して、その結果2ゲーム目以降うまくいった。相手の得意なプレーをさせないように軌道修正をしながら、いいプレーを続けた。オリンピック期間中、この大会に向けてフィジカルはもちろん、メンタル面を維持し、質の高いショット、相手に合わせて戦略を出せるように準備をしてきた。この優勝は大きな意味があり、オリンピック前、期間中の準備の成果が出たこと、コーチを誇りに思う。

(今後の目標として)長いスパンでは、世界一になること、オリンピックで金メダルを取ること、世界選手権で優勝すること。今は自分のコートでやることベストを尽くすことを考えている。

女子シングルス

山口茜
山口茜

山口茜(再春館製薬所/世界ランキング5位)とブサナン・オングブンルングパン(タイ/世界ランキング14位)が対戦した。4500人超が応援に駆けつけ、「茜コールがあり、うれしくて泣きそうになった」という山口に声援が送られた。

ブサナン・オングブンルングパン
ブサナン・オングブンルングパン

「コツコツ良いプレーをしようと前向きな気持ちでプレーができた」という山口は、コートを広く使って、相手を動かしてテンポよくスマッシュを決めていく。ブサナンの強打にも素早く反応し、ストレート・クロスとリターンを打ち分けていく。終わってみれば、一度もリードを許さず、11本10本と山口が2年ぶり4度目の優勝を決めた。

試合後は、「今回、自分が楽しくプレーできたのは、お客さんの応援があって、もっといいプレーをしようとか、ここ1本我慢しようっていう気持ちが出てきた。声援が今大会で今日が1番すごくて、それが自分に対して本当にいいプレーをしようっていうモチベーションにずっとなっていた」と話した。

<山口茜のコメント>
全体的に積極的にプレーできて、自ら主導権を握りながら、コツコツ良いプレーをしようと前向きな気持ちでプレーができたのでそれが一番よかった。今回、楽しく、リラックスしてやれて、結果がたまたまついてきたという自分の感覚ではありますが、それがうまくいったのも事実だと思う。今回いい感覚で試合には望めていたので、継続してみてどういう変化があるかっていうのは、自分自身も楽しみなところ。

今回、自分が楽しくプレーできたのは、お客さんの応援があって、もっといいプレーをしようとか、ここ1本我慢しようっていう気持ちが出てきた。声援が今大会で今日が1番すごくて、それが自分に対して本当にいいプレーをしようっていうモチベーションにずっとなっていた。試合が始まる前のウオーミングアップの時間から茜コールがあって、試合前から嬉しいと同時に、嬉しさからちょっと泣きそうにもなっていた。

男子ダブルス

ゴー・ジーフェイ(右)/ヌー・イズディン(左)
ゴー・ジーフェイ(右)/ヌー・イズディン(左)

同世代でこれまでの対戦成績は2勝2敗のゴー・ジーフェイ/ヌー・イズディン(マレーシア/世界ランキング12位)とカン・ミンヒュク/ソ・スンジェ(韓国/世界ランキング4位)が対戦した。最後まで攻めの姿勢を貫き、前に出続けたマレーシアペアが19本、15本で優勝を決めた。

カン・ミンヒュク(右)/ソ・スンジェ(左)
カン・ミンヒュク(右)/ソ・スンジェ(左)

<コメント>
ゴー・ジーフェイ
今日のパフォーマンスにはとても満足しているし、とても嬉しい。この大会を通して、とてもよかったと思う。また、今日の結果は自分たちの期待を超えるものだったので、とても嬉しい。

ヌー・イズディン
今まで勝利した大会で最も大きなものになるので、自分たちの自信になった。

女子ダブルス

リウ・シェンシュー(右)/タンニン(左)
リウ・シェンシュー(右)/タンニン(左)

女子ダブルスは最上位シードが実力どおりの勝ち上がりを見せてきた、本物の頂上対決となった。

第1シードで世界ランキング2位のペク・ハナ/イ・ソヒ(韓国)と、同3位でパリ2024銀メダリスト、第2シードのリウ・シェンシュー/タンニン(中国)による対戦である。

戦績では韓国ペアに分があるが、オリンピックで中国ペアが快勝したこともあり、互いに何としても勝って栄冠を掴みたい一戦、アタック力、ディフェンス力、粘り強さ、そしてマッチに臨む気迫のどれをとっても世界最高水準を誇る両ペアによる真っ向勝負が行われた。

攻守が目まぐるしく入れ替わる展開を気迫で押し切ったリウ・シェンシュー/タンニンが2(21-18、22-20)0 のストレートでペク・ハナ/イ・ソヒを下した。

ペク・ハナ(右)/イ・ソヒ(左)
ペク・ハナ(右)/イ・ソヒ(左)

<コメント>
リウ・シェンシュー
試合前にしっかり準備できて、格上のペアに勝つことができてよかった。まず今年1年をやりきり、ワールドシリーズファイナルズでいい成績を出せるようにしたい。
タンニン
韓国ペアは強いので、しっかり準備ができた。高いグレードでの試合数は少ないが、格上の相手との試合をすることでいい経験が積めている。

混合ダブルス

ジャン・ジェンバン(右)/ウェイ・ヤーシン(左)
ジャン・ジェンバン(右)/ウェイ・ヤーシン(左)

選手の引退や組み替えなど、戦力情勢の変動が起こりやすいのが今のオリンピック終わりのタイミング。世界ランキングの1桁順位にいながら、より上を目指したい2組がこのダイハツジャパンオープン2024の決勝戦に駆け上がってきた。

そのマッチアップは、本大会4試合すべてをファイナルゲームで制してきたタフネスっぷりが光るホンコンチャイナのタン・チュンマン/ツェ・インセット(世界ランキング8位)と、対照的に4試合連続ストレート勝ちで全く危なげなくバドミントン王国の実力を見せつけてきたジャン・ジェンバン/ウェイ・ヤーシン(中国/世界ランキング4位)。

タン・チュンマン(左)/ツェ・インセット(右)
タン・チュンマン(左)/ツェ・インセット(右)

更なる高みへ向けた足掛かりに、互いに切望するスーパー750のタイトルをかけた熱戦が期待された。

低く、速い展開にも反応して前に出て、シャトルを落とすウェイ・ヤーシンがチャンスを作って、ジャン・ジェンバンが184㎝の長身からの角度あるスマッシュを叩き込んでいった中国ペアが2ゲームとも12本で奪い、優勝を決めた。オリンピックで勝つことを目標としていうジャン・ジェンバン/ウェイ・ヤーシンの更なる進化が楽しみだ。

<コメント>
ジャン・ジェンバン
相手は経験のあるペアだったので、この試合を勝つことができてうれしい。オリンピックで勝つことを目標としているので、さらに上を目指したい。(世代交代が進む中、世界ランキング1位を目指すことは)一つの挑戦になる。挑戦することでパワーになるので、一歩ずつ上を目指していきたい。
ウェイ・ヤーシン
苦しい場面もあったが、ジャンに焦らず1点ずつそれを乗り越えて優勝することができてうれしい。相手が自分たちを研究してきているのを感じた、うれしかった。

©NipponBA2024 / PHOTO:t.KITAGAWA