試合レポート 大会2日目

7/26(水)各種目1回戦

各種目1回戦の続きとなった大会2日目は、先週のトーナメント(韓国オープン)のファイナリストたちも登場し、より多くの熱戦が繰り広げられた。

西本拳太(日本)
西本拳太(日本)

男子シングルスでは、ディフェンディングチャンピオンとして今大会に臨む西本拳太(ジェイテクト)が、マレーシアのエース、リー・ジージアを相手に激しい消耗戦を展開し、20-22、21-17、21-19で接戦をものにした。試合後、疲れを見せながらも「もっと注目してもらえるように僕のプレーを存分に発揮して、連覇に挑戦できる立ち位置を楽しみたい。明日はもっと大きな西本コールをお願いします」という西本は、今年も主役の座を狙う。 更に素晴らしいプレーを見せたのは常山幹太(トナミ運輸)だ。同じスピードプレーヤーにして、その第一人者でもある世界ランキング2位のアンソニー・シニスカ・ギンティング(インドネシア)と対戦し、低い展開を多用して相手の強打を最小限に抑え、ストレートでの勝利を掴んだ。

また、日本人対決となった桃田賢斗(NTT東日本)と渡邉航貴(BIPROGY)の試合は、後半のロングラリーを耐え、スピードを維持して攻め切った渡邉がファイナルゲームをものにして、2回戦進出を決めた。観客から一際大きな声援を受け、良好な立ち上がりを見せた桃田だったが、2ゲーム目以降にはもう一歩精彩を欠き、悔しい敗戦となった。 終わってみれば、この種目は海外選手と戦った日本人選手は全員が勝利と、幸先のいい1回戦となった。

大堀彩(日本)
大堀彩(日本)

女子シングルスでは大堀彩(トナミ運輸)はマルヴィカ・バンソッド(インド)とのサウスポー同士の対戦となった。1ゲーム目を7本で快調に先取すると、点の取り合いとなった2ゲーム目は、勝負所で低いリターンから素早く攻めに転じて決め切り、15本で制してストレート勝利を飾った。

一方、川上紗恵奈(北都銀行)は、ジャンピングスマッシュなど攻撃的プレーを展開するスパニダ・カテソン(タイ)と対戦。スピードを活かしたラリーで素晴らしい立ち上がりを見せたが、相手のアタックが上向いてくると、思うように決め切れない場面が増える。粘り強いラリーで見せ場を多く作ったが、あと一歩及ばず、勝利に届かなかった。

保木卓朗/小林優吾(日本)
保木卓朗/小林優吾(日本)

男子ダブルスでは、保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)がイングランドペアを相手に全く危なげのない試合を展開し、主導権を渡すことなく快勝劇を見せた。「小林のスマッシュがよく決まっていたし、自分たちのレシーブもよく、相手を(自在に)回して、いい試合が出来た」という保木/小林。このダイハツジャパンオープンでは、先月のシンガポールオープン優勝に続く、スーパー750のグレード制覇を目指し、自信を持って戦っていく。

今期に入り、成熟度の高まりを見せている古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)は、チャイニーズタイペイペアを相手に、勝負所で打ち切る強さを見せてストレート勝利を掴んだ。先週の韓国オープンから状態自体はよくないと言いながらも、気持ち新たに好発進となった。 そのほか、松居圭一郎/竹内義憲(日立情報通信エンジニアリング)、遠藤彩斗/武井優太(NTT東日本)は、それぞれ地元・日本での勝利を目指して気迫あふれる好プレーを多く見せたが、善戦の末、共にあと一歩及ばず敗退となった。

松本麻佑/永原和可那(日本)
松本麻佑/永原和可那(日本)

女子ダブルス、松本麻佑/永原和可那(北都銀行)は、当て感、スピード、コントロールのいずれも相手のオールトラリアペアを圧倒し、全く寄せ付けない展開で快勝した。

岩永鈴/中西貴映(BIPROGY)は本日のオープニングマッチとして、世界ランキング3位のキム・ソヨン/コン・ヒヨン(韓国)に挑戦した。堅実な組み立てと立体的な攻撃でラリーをした岩永/中西だったが、韓国ペアのハードヒッティングを凌ぎきれず敗戦となった。 ジャパンオープン初参戦となった須藤海妃/山北奈緒(ふたば未来学園高等学校)は、上位大会の壁に阻まれ敗退となった。それでも、2ゲーム目前半では攻守に非凡さを見せ、対等な展開を作るなど見せ場も作った。「当面の目標は世界ジュニアでの優勝」と語る2人にとって、この大会での経験が更なるステップアップのきっかけとなることだろう。

山下恭平/篠谷菜留(日本)
山下恭平/篠谷菜留(日本)

混合ダブルスの日本勢4番手となり、巻き返しを狙う金子祐樹/松友美佐紀(BIPROGY)はホンコンチャイナペアと対戦。互角のラリーで息詰まるゲーム進行を見せる中、終盤でポイントが思うように取れず、惜しくも敗退となった。

成長著しい山下恭平/篠谷菜留(NTT東日本)はランキングポイントで拮抗している相手であるデジャン・フェルディナンシャー/グロリア・エマヌエル・ウィジャヤ(インドネシア)と対戦。本日の最終試合にふさわしく、見ごたえのあるラリーが多く展開されたが、しなやかな体躯と、高い跳躍からの緩急自在のショットを有効に駆使したインドネシアペアがわずかに上回り、山下/篠谷は悔しさの残る敗戦となった。

©NipponBA2023 / PHOTO:t.KITAGAWA