7/18(金)各種目準々決勝

男子シングルスでは渡邉 航貴(BIPROGY)がウェン・ホンヤン(中国)を連日のファイナルゲームで制して準決勝進出を決めた。「前日のチョウ・ティエンチェ(チャイニーズ・タイペイ)とのタフな試合の疲労はそこまでなく、メンタル的にいい影響が出た」と1ゲーム目を奪われても、2ゲーム目落ちついたプレーで取り返し、動きに精彩を欠いたウェン・ホンヤンをファイナルゲーム11本に抑えた。明日は昨年チャンピオンのアレックス・ラニアー(フランス)との対戦に向けて、「1個1個油断せずに頑張っていきたい。応援がすごく力になっている。」と語った。一方の奈良岡 功大(NTT東日本)は同世代でこれまで3戦3勝のクリスト・ポポフ(フランス)と対戦。第1ゲーム中盤、奈良岡は要所でスマッシュを決めるなどして奪うも、2ゲーム目以降は、スマッシュが走らない感覚だったとリズムが狂い始める。クリスト・ポポフにライン際へスマッシュを決められるなどして、打開策を見いだせず、2大会連続の準決勝進出とはならなかった。
女子シングルスでは、再春館製薬所の山口 茜と郡司 莉子が登場。山口はこれまで16回対戦してきた同世代で世界ランキング7位のポルンパウィ・チョチュウォン(タイ)と対戦。我慢のプレーができたという1ゲーム目に対して、点差が離れず、球が低くなって打たれる展開となってしまったと2ゲーム目は接戦となる。「どっちに転ぶかわからないので、自分から攻めよう」とギアを切り替えた山口が連続ポイントで逆転して準決勝進出を決めた。今大会初出場、これまでほとんど世界ランキング1桁の選手との対戦経験がほとんどない郡司が世界ランキング4位のハン・ユエ(中国)と顔を合わせ、1点目からマックススピードで向かっていく作戦が功を奏す。「11点あたりまですごい息が上がって、頭がクラクラして、沸騰しているような感覚だった。そこを越えたら、相手が我慢できずに打ってきてくれて少し落ち着くことができた」と抜け出しに成功する。終わってみれば、17本、10本の大金星を挙げる。ケガで離脱していた半年ほどのリハビリにおいてこれまで鍛えてこなかった部位の強化がなじんできたことも今回の結果につながっていると話した郡司、「無敵状態」というアン・セヨン(韓国)に対してどこまでできるのか注目したい。

女子ダブルスでは、志田 千陽/松山 奈未(再春館製薬所)が世界ランキング7位のキム・へジョン/コン・ヒヨン(韓国)と対戦。「想像以上のラリーだった(志田)」と振り返ったよう、世界トップで見応えのあるショット、駆け引きの応酬が繰り広げられた。第1ゲーム終盤、あと一本欲しいところで、志田のロングサービスのミスで流れに乗れず19本で奪われてしまう。後がない展開となるも、「2ゲームの11点あたりから応援が聞こえてきて、コートも相手もよく見えるようになってきた(松山)」と志田/松山が1点を争うシーソーゲームをテンポよく生き生きしたプレーでコート内を躍動し、19本、18本で制して、初の準決勝進出を果たした。試合後、志田は「準々決勝を越えられたというのは、自分のなかでは大きくて、勝った瞬間に涙が出てました。試合はやっぱり楽しい、明日もコートに立てることが楽しみ」とこの大会にかける思いを語った。
混合ダブルスでは、霜上 雄一/保原 彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)が、準々決勝のオープニングゲームに登場し、世界ランキング4位のチェン・タンジェ/ティオ・エーイ(マレーシア)と対戦した。マレーシアペアのサービスから三球目までのうまさが光り、ラリーに持っていくことができなかった霜上/保原はなす術なくストレートで敗退した。世界トップとの実力差を突きつけられた二人だが、「しのぎきるディフェンス力をもっと身につけていきたい。1、2回戦のプレーは、ディフェンスがしっかりできてよかったが、今後は、速い展開で連続して打ってくる相手にしっかり対応できるよう、頑張っていきたい。(霜上)」「これまでは競った展開で負けることが多かったが、昨日(フランスペア戦)を勝ち切れたのは成長。でも、自分たちが目指すところに向けては、まだまだレベルアップが必要なので、もっともっと強くなりたい。(保原)」と話した。もう一方の緑川 大輝/齋藤 夏(NTT東日本/PLENTY GLOBAL LINX)は、世界ランキング1位のフェン・ヤンゼ/ファン・ドンピン(中国)に挑んだ。これまで7度対戦しており、お互いの手の内を知っているだけに、試合功者の中国ペアに先手を取られて195㎝フェン・ヤンゼの放つ後衛からの強打、ファン・ドンピンの前衛で主導権を握られる。勢いに乗った中国ペアの圧倒的なアタック力に対して反撃の糸口をみつけられないまま10本、9本で屈した。
大会4日目(準々決勝)の日本人選手の結果は以下のとおり。
[男子シングルス]
渡邉 航貴(BIPROGY) 2-1 ウェン・ホンヤン(中国)
奈良岡 功大(NTT東日本) 1-2 クリスト・ポポフ(フランス)
[女子シングルス]
山口 茜(再春館製薬所) 2-0 ポルンパウィ・チョチュウォン(タイ)
郡司 莉子(再春館製薬所) 2-0 ハン・ユエ(中国)
[女子ダブルス]
志田 千陽/松山 奈未(再春館製薬所) 2-1 キム・へジョン/コン・ヒヨン(韓国)
[混合ダブルス]
霜上 雄一/保原 彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス) 0-2 チェン・タンジェ/ティオ・エーイ(マレーシア)
緑川 大輝/齋藤 夏(NTT東日本/PLENTY GLOBAL LINX) 0-2 フェン・ヤンゼ/ファン・ドンピン(中国)